結論(先に要点)
日本の暗号資産税制は現行では原則「雑所得(総合課税)」です。国税庁の公式資料で、暗号資産の売却等により生じた利益は原則雑所得で確定申告が必要とされています。
一方、金融庁は「分離課税の導入を含む見直し」を税制改正要望として提出しています。これは“要望”であり、現時点で20%の申告分離課税が確定したわけではありません。
現行ルールの公式根拠(国税庁)
国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱い」では、暗号資産の売却・使用による利益は原則として雑所得に区分され、確定申告が必要とされています。これは現在の基本的な税務取り扱いです。
つまり現時点では、暗号資産の利益は株式やFXと同じ申告分離課税ではありません。
税制改正要望の公式根拠(金融庁)
金融庁の税制改正要望(令和8年度)には、暗号資産取引に係る課税の見直しとして「分離課税の導入を含めた見直し」を行うことが明記されています。
これは「要望」であり、制度として確定・施行されたものではありません。今後の政策判断と国会審議が必要です。
図解:現行ルール vs 改正要望
「20%」という数字の位置づけ
株式やFXの申告分離課税は約20%(所得税・住民税合算)が一般的です。そのため暗号資産も同水準になるのでは、という期待が広がっていますが、公式には「20%で確定」とは示されていません。
実務目線での影響整理
現行ルールでの申告
- 暗号資産の売却・使用による利益は原則雑所得
- 所得水準によって税率が変わる(累進課税)
- 損益通算・損失繰越には制限がある
将来的に分離課税が導入された場合
- 税率が一律に近づく可能性がある
- 損益通算・損失繰越の扱いが変わる可能性がある
ただし、これらは制度設計次第であり、確定情報ではありません。
申告実務で押さえておきたいこと
- 取引履歴を必ず保存する(国内外の取引所を含む)
- 損益計算の方法を統一する(移動平均法/総平均法の確認)
- 年内の損益を早めに把握し、申告準備を進める
制度が変わるとしても、変更が確定するまでは現行ルールで申告する必要があります。
よくある誤解と落とし穴
- 20%化が決定したと誤認して申告を誤る
- 株式・FXと同じ扱いだと勘違いする
- 海外取引所の履歴を漏らす
- 制度変更が確定する前に投資判断を変えてしまう
まとめ
日本の暗号資産税制は現在「雑所得」が基本です。分離課税導入は金融庁が要望として提示していますが、確定情報ではありません。今後の正式決定を待ちながら、現行ルールに沿って申告・記録を行うことが最も安全です。
FAQ
Q1. 20%申告分離課税は確定していますか?
A. 確定していません。金融庁の税制改正要望として示されている段階です。
Q2. 現行の税務上の取り扱いは?
A. 国税庁の公式資料で、暗号資産の利益は原則雑所得とされています。
Q3. 今年の利益はどう申告すべきですか?
A. 制度変更が確定するまでは現行ルールで申告が必要です。
Q4. 20%という数字はどこから来ていますか?
A. 株式・FXの申告分離課税(約20%)に合わせる議論があるためです。
Q5. どの公式資料を見ればいいですか?
A. 国税庁の暗号資産税務資料と、金融庁の税制改正要望資料が一次情報です。
参考リンク(一次情報)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/index.htm
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/request/fsa/08y_fsa_k_03.pdf